インターネット上で個人的に情報の発信や交換を行なうためには 自分のWebサイトを立ち上げるのが一番ですが、 Webページ構築用の各種のツールが普及している現在でも これは簡単な作業ではありません。 Webページ作成ツールが普及してきたため、 HTMLを覚えてきちんと記述しなければならないという問題は かなり改善されてきていますが、 実用的なWebサイトを構築するには、 以下のようにまだまだ沢山の障害があります。 * 見栄えの良いページをデザインするのが難しい * 掲示板や意見の書込みシステムを導入するのが難しい * 検索システムを導入するのはひどく難しい * ローカルに作成したファイルをサーバにアップロードするのが面倒 情報発信や情報交換のためにWebページを立ち上げたにもかかわらず、 直接関係ない部分でいろいろ手間がかかってしまうのであれば、 アクティブなサイトを維持するのにはかなりの根性が必要です。 発信すべき良い情報を持っていても、 管理が面倒であるために更新がとどこおるようであれば、 何のためにページを作ったのかわからないことになります。 !日記システムとWiki 最近は、 Wiki Wiki Web(Wikiと略)/ Web日記作成支援システム/ Weblog支援システムなど、 個人が頻繁にページを更新できるシステムが増えており、 Webサイトにおいてこのようなシステムを中心に使うことにすれば 前述のような問題がかなり改善されます。 これらのシステムは、 いったん設置してしまえばWebブラウザやメール端末から簡単に内容を更新できますし、 他人が意見を書き加えられるような設定をすることも可能です。 また最近のWikiや日記システムは見栄えがかなり重視されており、 スタイルシート(CSS)を使って「テーマ」をカスタマイズしたり、 カスタマイズしたテーマを配布したりすることが流行しています。 公開されているテーマを流用すれば、 見栄えの良いWikiページを簡単に作ることができます。 WikiでWebサイトを構築することには以下のような利点があります。 * HTMLを知らなくてもWebページを記述できる * 他人が作った「テーマ」(CSS)を借用して簡単に見栄えの良いページが作れる * 掲示板やコメント書込み機能を簡単に設置できる * 検索機能が使える * Webページを直接編集するので、ブラウザさえあればどこでも編集できるし作成したデータをサーバに転送する必要がない。 時間や手間を充分に使って、 世界にひとつしか存在しないような凝ったページを作るのであれば別ですが、 手っ取り早くサイトを立ち上げて情報発信/交換を行ないたいような場合は、 Wikiを使って実用的なWebページを作成するのが良さそうに思えます。 !Hiki Webサイトとして利用できるWikiとして、 最近人気が出てきた Hiki{{urlcite('Hiki','http://www.namaraii.com/hiki/')}} を紹介したいと思います。 Hikiは Rubyで記述されたWikiクローンのひとつで、 Web日記システムとして定評のある tDiary{{urlcite('tDiary','http://www.tdiary.org/')}} を意識して作成されています。 {{attach_view('hikitop.png')}} Hikiトップページ: Hiki配布サイト自体がHikiで構成されている 一般的なWikiと同じように、 Hikiを使うとブラウザから簡単にページを作成したり 他のページへのリンクを作成したりすることができますが、 このようなWikiの特長に加えて Hikiは以下のような特長を持っています。 * 百種類以上公開されているtDiaryのテーマを使って簡単に見栄えの良いページが作ることができる * 掲示板やコメントを簡単に設置できる * プラグインを使って機能を拡張できる * 携帯電話のブラウザからでも問題なく使用できる !!テーマ HikiやtDiaryのページは下図のような構成になっています。 {{urlcite('Hikiのページ構成','http://tdiary-users.sourceforge.jp/cgi-bin/wiki.cgi?1.5%B7%CFDIV%B9%BD%C0%AE%BF%DE')}} {{attach_view('tdiary_css.png')}} Hikiのページ構成 例えばスタイルシートのdiv.mainの定義を変更してページ全体の背景を変えることができます。 !!プラグイン Hikiには「プラグイン」と呼ばれるRubyプログラムが沢山用意されており、 テキスト中から呼び出すことができます。 例えばテキスト中に {{comment}} と記述しておくと、これは以下のようなフォームに展開され、 Webページの閲覧者が自由にページ内容にコメントを追加することが できるようになります。 {{comment}} コメント入力フォーム また、 {{bbs}} と書くだけで掲示板になったり、 {{isbn('4166601989')}} という記述が以下のようなAmazon.comなどのオンライン書店へのリンクに変換されたり、 様々なプラグインが用意されています。 {{isbn('4166601989')}} オンライン書店へのリンク !!Hikiの利用 HikiはCGIとしてRubyを使うことができるプロバイダならば 比較簡単に設置することができます。 Hikiのインストール手法については、 SoftwareDesign誌の2003年8月号の たむらけんいち氏の記事 {{urlcite('WikiでさくさくらくらくWebづくり','http://www.namaraii.com/sakusaku/')}} で詳しく解説されています。 !その他のWiki Hiki以外にも新しいWikiクローンが沢山提案されており、 日本発のWikiクローンリスト {{urlcite('日本発のWikiクローンリスト','http://www1.neweb.ne.jp/wa/yamdas/column/technique/clonelist.html')}} {{urlcite('日本発のWikiクローンリスト2','http://www1.neweb.ne.jp/wa/yamdas/column/technique/clonelist2.html')}} で多くが紹介されています。 例えばPerlを使用するFreeStyle Wiki {{urlcite('FreeStyle Wiki','http://fswiki.poi.jp/')}} もtDiaryのスタイルを使うことができますし、 Hikiと同様のプラグインが沢山用意されていますから、 RubyよりもPerlの方が都合がよい場合はこちらを使うとよいかもしれません。 !WikiFarm WikiをWebページとして使用する場合の最大の問題点は、 最初にWikiシステムをインストールする必要があることかもしれませんが、 最近のWikiには「WikiFarm」という機能を持っているものがあり、 これを使うとWikiページを作るのと同じぐらいの手間で Wikiサイトを作成することができます。 たとえばfdiary.netには WikiFarmをHikiで実現したHikiFarmが公開されており {{urlcite('fdiary.netのHikiFarm','http://wiki.fdiary.net/')}}、 名前を指定して認意のWikiサイトを作成できるようになっています。 このようなサービスが増えれば、 Wikiを使ったWebサイトの構築がさらに容易になり、 誰もがWebサイトで情報発信できるようになるでしょう。 {{attach_view('hikifarm.png')}} HikiFarm !参考URL {{urlcite}} ---- {{attach_form}}