大富豪家2.0の日記
2004年05月27日
00:23
戦後の高度成長期には
英語のブリタニカ百科辞典がよく売れていたそうである。各家庭にピアノが売れたのも同じような時期だと思う。子供のとき同級生の家に遊びに行くと必ずピアノがあるのだが、誰も弾く人はいないというのが普通だった。
英語の百科辞典を使いこなせる人はいつの時代でもほんのひと握りだろうし、ピアノを楽しめる人もほんのひと握りのはずなのだが、誰でも機会があれば英語の百科辞典やピアノを活用できるようになるかもしれないという幻想が蔓延していた時代にこういう商売が成り立っていたのだろう。現在はこういう幻想は消滅し、百科辞典もピアノも商売として成り立っていない。
現実を適切に認識することは大事であるが、幻想が全くない時代も悲しいものである。
コメント
2004年05月27日
01:36
yuco
いま「教養主義の没落」(中公新書)という本を読んでいるのですが、そういう西洋化への憧れというものが起こった下地についても書いてありました。
2004年05月27日
01:44
大富豪家2.0
情報ありがとうございます。確かに西洋への憧れという意味は強かったのかもしれませんね。より西洋化した者がより成功するというような幻想があったのでしょうか。
西洋への憧れは明治時代からかなり強かったのでしょうが、それが百科辞典とかピアノとかという文化的な形態で庶民の間で出てきたというのは面白いですね。明治時代にはもっぱら政府中心で技術方面だったのでしょうが。
2004年05月27日
01:52
大富豪家2.0
西洋への憧れがほとんどなかったと思われる江戸時代の方が、西洋の物真似に終始した明治以降よりはるかに文化的財産を作りだしたという点は注意すべきですね。明治時代に出現した文化遺産なんてあるのだろうか。言文一致の小説ぐらいか?
2004年05月27日
01:57
yuco
上記の本の受け売りですが…
明治時代には天皇が華族に「国民の模範となるように留学したり外遊したりして西洋のことを学びなさい」ということを言っていたようで、山の手上流階級がそれをまね、さらに庶民が真似したという部分があるみたいです。
それは、山の手階級にとってはまだ残っていた江戸町人文化への対抗という意味もあったと。
2004年05月27日
01:59
yuco
文化遺産と呼べるのかどうかは分からないけど、「民主主義」などの政治・学問関連の訳語にはずいぶんお世話になっているなぁと思います。最初に翻訳して漢字を当てた人はすごいなぁと。
2004年05月27日
03:05
大富豪家2.0
確かに凄いのですが、明治の訳語は意味をもとに作ってるのが多いのでまだ理解できます。「与力」とか「同心」とかいう単語をどうやって作ったのかはもうわけわからんです。