私のブックマーク --ヒューマンインタフェース--
今回はヒューマンインタフェース関連のWebページを紹介します。
ヒューマンインタフェースの研究範囲は
計算機のハードウェア/ソフトウェアから心理学/人間工学まで
非常に広範囲にまたがっており、
その全容を把握することは大変です。
私は計算機のハードウェア/ソフトウェアの立場から
ヒューマンインタフェースの研究を行なっているため
それから離れた分野に関してはまとめが全く不十分ですが、
リンクのリンクをたどっていくことにより
研究領域の全貌がつかめるかもしれません。
海外学会とコンファレンス
計算機寄りのインタフェース研究に関しては、
計算機に関する世界最大の学会である
ACM[1]
(Associations for Computing Machinery)の分科会の
SIGCHI[2]
(Special Interest Group on Computer-Human Interface)が
毎年2000人程度が参加する
CHIコンファレンス[3]
を開いており規模の面で最大で、
Web上のリソースも最も充実しています。
ACMにはSIGCHI以外にも
コンピュータグラフィクスに関する
SIGGRAPH[4]
や
情報検索に関する
SIGIR[5]
、
CSCWやオフィスの情報処理に関する
SIGGROUP[6]
、ハイパーテキストやWebに関する
SIGWEB[7]
(SIGLINKより改名)
など多数の分科会があり、充実した情報を提供しています。
ACM SIGCHIはCHIコンファレンス以外にも、
ソフトウェア技術に焦点を絞った
User Interface Software and Technology(UIST)シンポジウム[8]
、
CSCWコンファレンス、
HyperTextコンファレンス[9]
、
エージェントに関連した
AGENTSコンファレンス[10]
、
知的インタフェースに関連した
Intelligent User Interface(IUI)コンファレンス[11]
などインタフェース関連のコンファレンスを沢山主催しています。
SIGCHIは各国/各地に支部を持っており、たとえば
シリコンバレー近辺の研究者による分科会である
BayCHI[12]
は独自に積極的な活動を行なっています。
ACMと並ぶ有力団体である
IEEE[13]
の
Computer Society[14]
では、
ビジュアル言語やインタフェースに関する
Symposium on Visual Language[15]
や、視覚化一般に関する
Visualization Conference[16]
を開催しています。
その他の団体の主催するコンファレンスとしては、
欧州最大の情報処理に関する団体である
IFIP[17]
のヒューマンインタフェースに関する技術委員会
TC13[18]
による
Interactコンファレンス[19]
、
HCI Internationalコンファレンス[20]
、
アジア/太平洋の
APCHI[21]
コンファレンス
などがあります。
また
ビジュアルインタフェースに関しては、隔年でイタリアで開催される
AVIコンファレンス[22]
やカナダの
Graphics Interfaceコンファレンス[23]
などがあります。
日本の学会とコンファレンス
日本では
計測自動制御学会
の
ヒューマンインタフェース部会[24]
が、ヒューマンインタフェースに関する広い範囲をカバーする大規模な
ヒューマンインタフェースシンポジウム[25]
を毎年秋に開催していましたが、本年からは新たに発足した
ヒューマンインタフェース学会[26]
が主催となっています。
計算機関連学会としては、
情報処理学会[27]
の春/秋の全国大会においてインタフェースに関するセッションがあります。
また情報処理学会の研究会として、
インタフェースに関して比較的広い範囲をカバーする
ヒューマンインタフェース研究会[28]
、グループウェア/CSCWに関する
グループウェア研究会[29]
、情報の生態系やメディアの作成、表現などを扱う
情報メディア研究会[30]
などの各研究会が約2ヶ月に1回研究会を開催しています。
これらの研究会は1997年より合同で
Interaction[31]
というシンポジウムを年1回開催しています。
電子情報通信学会[32]
では
知能情報メディア(IIM)研究会[33]
が
知能情報メディアシンポジウム[34]
を年1回開催していますし、
パターン認識・メディア理解(PRMU)研究会[35]
はほぼ毎月研究会を開催しています。また
ヒューマンコミュニケーショングループ[36]
の
ヒューマン情報処理研究会やヒューマンコミュニケーション基礎研究会[37]
も各種の研究会を開催しています。
ユーザインタフェースのソフトウェアに関しては
日本ソフトウェア科学会[38]
の
インタラクティブシステムとソフトウェア研究会[39]
が、毎年12月に
インタラクティブシステムとソフトウェアに関するワークショップ(WISS)[40]
を開催しています。
その他、
日本バーチャルリアリティ学会[41]
、
日本認知科学会[42]
、
日本人間工学会[43]
なども年次大会を開催しています。
論文誌/雑誌
ACMでは
SIGCHIの機関紙の
SIGCHI Bulletin[44]
の他、一般向け雑誌の
Interactions[45]
や、
Transactions On Computer-Human Interface[46]
(TOCHI)、
Transactions On Information Systms[47]
(TOIS)などの論文誌を発行しています。
またIEEEでは、
IEEE Computer Graphics and Applications[48]
などの雑誌や、
IEEE Transactions on Computer Graphics and Visualization[49]
などの論文誌を発行しています。
これらの学会以外のものとしては、
ビジュアル言語やインタフェースに関する
Journal of Visual Languages and Computing[50]
、
幅広い範囲をカバーする
Human-Computer Interaction[51]
、
人間工学/心理学/社会学系の
Behaviour & Information Technology[52]
、
心理学/認知科学/人間工学系の
International Journal of Human-Computer Interaction[53]
、
1968年から続いている
知的インタフェースや人工知能系の
International Journal of Human-Computer Studies / Knowledge Acquisition[54]
、
British Computer SocietyのBritish HCI Groupによる
Interacting with Computers[55]
などの論文誌が発行されています。
データベース、検索
オハイオ大学にいた
Gary Perlman氏[56]
は長年インタフェース研究に関するデータベース
HCIBIB[57]
の作成に尽力しており、現在ではSIGCHIとの協力により
非常に役にたつデータベースとなっています。
インタフェースに関連する海外の重要な論文のほとんどは
HCIBIBで検索できると考えてよいでしょう。
ACM、IEEEで出版された論文については
ACMのデジタル図書館のページ[58]
や
IEEE Computer Societyのデジタル図書館のページ[59]
で検索したり論文をPDFで読んだりすることができるようになっていますが、
ACM/IEEEへの入会とデジタル図書館利用料金
が必要です。
ACMの場合、デジタル図書館の利用料金は年間$100程度ですが、
これまでに発行された論文誌や会議録のほとんどにアクセスできる
ようになるので、登録する価値は充分です。
インタフェース関連の書籍に関しては
Amazon[60]
や
Fatbrain[61]
のようなオンライン書店を利用して検索/購入すると便利です。
総合リンク集
インタフェースに関するリンクを集めたものとしては
ACM SIGCHIのリンク集[62]
が最も充実していると思われますが、
Hans de Graaff氏がまとめている
HCI Index[63]
や、
Linkoping Universityの
HCI Resources[64]
もよくまとまとまっています。
やはりLinkoping Universityの
Jonas Lowgren氏は、
A look in my HCI bookshelf[65]
というページで、インタフェースに関する沢山の本の書評を述べており、
沢山出版されているインタフェース関連の書籍に関する有益な情報が得られます。
Yahoo.comには
Human-Computer Interactionのセクション[66]
がありますが、残念ながら登録されている情報は多くありません。
津田塾大学の来住伸子氏も
インターネット上のHCI情報のページ[67]
を作成しています。
その他の有用なサイト
良いインタフェースを設計するのは難しいものですが、
Donald Norman氏[68]
の一連の著作でわかるように、
悪いインタフェースを指摘して面白い読み物とすることはそれよりは簡単かもしれません。
Bad Designsのページ[69]
や、
Isys Information Architects Inc.の
Interface Hall of Shame[70]
のページには
悪いインタフェースの例が集められており参考になります。
一方、
Interface Hall of Fame[71]
のページでは良いインタフェースの例が沢山とりあげられています。
ユーザビリティ工学の専門家である
Jacob Nielsen氏[72]
は、隔週のコラム
AlertBox[73]
でインタフェースに関する様々な提案や指摘を行なっており、ためになります。
Macintoshのインタフェースをを設計したことで知られる
Bruce "Tog" Tognazzini氏の
「Togに訊け!」のページ[74]
にも沢山の面白い記事があります。
インタフェースのソフトウェアツールに関しては
Carnegie Mellon Universityの
Brad Myers氏[75]
が
各種ツールのページ[76]
などのページをまとめており便利です。
障碍者向けインタフェースについてまとめた
こころWeb[77]
のページも有用です。
個別の研究分野に関しては、その分野の専門家のページが役にたつことが
多いようです。たとえば
仮想現実感に関しては
木島竜吾氏のページ[78]
、
拡張現実感に関しては
暦本純一氏のページ[79]
、
情報視覚化に関しては
小池英樹氏のページ[80]
、
障碍者向けインタフェースに関しては
安村通晃氏のページ[81]
などが有用です。
イベント/コンファレンス案内
海外のインタフェース関連のイベント/コンファレンスをまとめたものとして
HCI Index: Conferences & Workshops[84]
や
HCI ResourcesのCalendar of Events[85]
があります。
日本のコンファレンスに関しては各学会のページの予定表を利用できます。
おわりに
今回はヒューマンインタフェースに関連した有用なWebページを紹介しました。
私も微力ながら情報共有に貢献するために
文献リストのページ[86]
を運営していますので、御利用いただければ幸いです。
(本号の著者: ソニーコンピュータサイエンス研究所 増井俊之 masui@acm.org)
since 1999/5/25
- http://www.acm.org/
- http://www.acm.org/sigchi/
- http://www.acm.org/sigchi/chi99/
- http://www.siggraph.org/
- http://www.acm.org/sigir/
- http://www.acm.org/siggroup/
- http://www.acm.org/sigweb/
- http://www.acm.org/uist/
- http://www.ht00.org/
- http://www.cs.washington.edu/research/agents99/
- http://www.iuiconf.org/
- http://www.baychi.org/
- http://www.ieee.org/
- http://computer.org/
- http://www.isl.hiroshima-u.ac.jp/vl99.html
- http://davinci.informatik.uni-kl.de/vis99/
- http://www.ifip.or.at/
- http://www.csd.uu.se/ifip_tc13/
- http://www.dcs.gla.ac.uk/i99/
- http://hci99.iao.fhg.de/hci99/index.html
- http://celes.softlab.is.tsukuba.ac.jp/~apchi/
- http://www.ing.univaq.it/avi2000/avi2000cfp.html
- http://www.dgp.toronto.edu/gi99
- http://www-hio.dj.kit.ac.jp/
- http://www-hi.dj.kit.ac.jp/HIS99/
- http://www.his.gr.jp/
- http://www.ipsj.or.jp/
- http://www.ipsj.or.jp/sig/hi/
- http://www.ipsj.or.jp/sig/gw/
- http://infomedia.dj.kit.ac.jp/
- http://fig.ele.eng.tamagawa.ac.jp/sighi/interaction99.html
- http://www.ieice.or.jp/jpn/
- http://www.ieice.or.jp/iss/iim/
- http://www.ieice.or.jp/iss/iim/sympo.html
- http://www.ieice.or.jp/iss/prmu/jpn/
- http://www.hal.t.u-tokyo.ac.jp/hcg/index.html
- http://www.hal.t.u-tokyo.ac.jp/hcg/syoukai/syoukai.html
- http://wwwsoc.nacsis.ac.jp/jssst/
- http://www.csl.sony.co.jp/person/masui/ISS/
- http://www.csl.sony.co.jp/person/masui/ISS/WISS98/
- http://chagall.vsl.gifu-u.ac.jp/vrsj/
- http://www.sccs.chukyo-u.ac.jp/jcss/
- http://plaza8.mbn.or.jp/~jes/
- http://www.acm.org/sigchi/bulletin/
- http://www.acm.org/interactions/
- http://www.acm.org/tochi/
- http://www.acm.org/tois/
- http://computer.org/cga/
- http://computer.org/tvcg/
- http://www.academicpress.com/jvlc
- http://www.parc.xerox.com/istl/projects/HCI/
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- http://www.erlbaum.com/2730.HTM
- http://ksi.cpsc.ucalgary.ca/IJHCS/
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- http://www.acm.org/~perlman/
- http://www.hcibib.org/
- http://www.acm.org/dl/
- http://computer.org/epub/
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- http://is.twi.tudelft.nl/hci/
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- http://is.twi.tudelft.nl/hci/conference.html
- http://www.ida.liu.se/~miker/hci/calendar.eng.html
- http://www.csl.sony.co.jp/person/masui/bib/