著者
Malcolm Gladwell, 高橋 啓 (訳)
タイトル
ティッピングポイント - いかにして「小さな変化」が「大きな変化」を生み出すか
日時
February 2000
出版
飛鳥新社
概要
いろいろな面白い心理学実験結果やエピソードが紹介されているが、 爆発的感染を起こさせるために何が必要かという肝心の主張は説得力がない。 主張している3要素のうち、少数者が実際に感染に強く影響しているという話は証拠がないし、 粘るものが流行するのは当然というか、 流行したから粘ったと判断できたと思われる。
状況をちょっとだけ変えることにより大きな影響を与えることができた例は参考になるかもしれない。
Crossing the Chasm: Marketing and Selling High-Tech Products to Mainstream Customersなどが引用されているようだが、 参考文献が全く記述されていいない。 日本語版だけなのだろうが、愚かな風習である。
(2003 6/6 増井)
内容
爆発的感染の3要素
1. 少数者の法則
= 少数の影響力ある人々が主導する
2. 粘りの要素
= メッセージが長く記憶に残る
3. 背景の力
= 一件微妙に思われる背景状況が実は重要

* 頭を縦にふりながら議論を聞くと、つい賛成してしまう
* ワンダーマンの「金の箱」広告
- クーポンの隅に描いた謎の金の箱で消費者の興味を引いた
* さりげない情報提示
- 予防接種の案内に地図をつけただけで接種者が急増
* セサミストリートの成功
- 実際の世界にマペットがいるのが重要
- 普通の世界の実写だけだと飽きる
* 「割れた窓理論」
- 窓が割れていると犯罪が急増 ... 綺麗にするだけで犯罪が減る
(汚さは犯罪のきっかけになる)
- ニューヨークは徹底的に地下鉄を掃除して犯罪を減らした
* 模擬監獄の実験
- 看守役をさせるだけで傲慢になる
* 人のためになることをしたい、といつも思っている人でさえ
遅刻するぞと言うだけで病人を見捨てるようになる
* 正直度テスト
- 人は誰でもカンニングする。しかしその流儀は人により異なる
* 150人の法則
- 150人までの集団なら団結させることができる
* 自殺は自殺を呼ぶ
- あくびは伝染するが自殺も伝染する
* タバコを吸うのがカッコ良いのではなく、カッコ良い奴が
タバコを吸うのである
カテゴリ
Business, Psychology
ISBN: 4870313944
Category: Business Psychology
Bibtype: Book
Contents: <pre>
        爆発的感染の3要素
        1. 少数者の法則
        = 少数の影響力ある人々が主導する
        2. 粘りの要素
        = メッセージが長く記憶に残る
        3. 背景の力
        = 一件微妙に思われる背景状況が実は重要
        
        * 頭を縦にふりながら議論を聞くと、つい賛成してしまう
        * ワンダーマンの「金の箱」広告
        - クーポンの隅に描いた謎の金の箱で消費者の興味を引いた
        * さりげない情報提示
        - 予防接種の案内に地図をつけただけで接種者が急増
        * セサミストリートの成功
        - 実際の世界にマペットがいるのが重要
        - 普通の世界の実写だけだと飽きる
        * 「割れた窓理論」
        - 窓が割れていると犯罪が急増 ... 綺麗にするだけで犯罪が減る
        (汚さは犯罪のきっかけになる)
        - ニューヨークは徹底的に地下鉄を掃除して犯罪を減らした
        * 模擬監獄の実験
        - 看守役をさせるだけで傲慢になる
        * 人のためになることをしたい、といつも思っている人でさえ
        遅刻するぞと言うだけで病人を見捨てるようになる
        * 正直度テスト
        - 人は誰でもカンニングする。しかしその流儀は人により異なる
        * 150人の法則
        - 150人までの集団なら団結させることができる
        * 自殺は自殺を呼ぶ
        - あくびは伝染するが自殺も伝染する
        * タバコを吸うのがカッコ良いのではなく、カッコ良い奴が
        タバコを吸うのである
        </pre>
Month: feb
Author: Malcolm Gladwell
        高橋 啓 (訳)
Title: ティッピングポイント -
        いかにして「小さな変化」が「大きな変化」を生み出すか
Comment1: いろいろな面白い心理学実験結果やエピソードが紹介されているが、
        爆発的感染を起こさせるために何が必要かという肝心の主張は説得力がない。
        主張している3要素のうち、少数者が実際に感染に強く影響しているという話は証拠がないし、
        粘るものが流行するのは当然というか、
        流行したから粘ったと判断できたと思われる。
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        状況をちょっとだけ変えることにより大きな影響を与えることができた例は参考になるかもしれない。
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        <a href="http://www.pitecan.com/bib/Moore_Chasm.html">Crossing the Chasm:
        Marketing and Selling High-Tech Products to
        Mainstream Customers</a>などが引用されているようだが、
        参考文献が全く記述されていいない。
        日本語版だけなのだろうが、愚かな風習である。
        <br>
        (2003 6/6 増井)
Year: 2000
Date: 2004/02/13 10:45:47
Publisher: 飛鳥新社