Gary Belsky, Thomas Gilovich
日本経済新聞社, 2003
普通の経済学は、人は理性的に損得を考えて行動するということを 前提に作られているが、実際は間違いや勘違いによって ずいぶん損をしているのだという話。 いろんな間違いをする例が沢山紹介されている。 こういう研究を「行動経済学」というらしい。
確かにいろんな理由で人間は間違った選択をする。 これは投資に限っことはないわけだが、 この本ではどんな話も投資に関連づけてしまっている。 モンティホール問題は有名だし、 カード裏返し問題などは 「ビル・ゲイツの面接試験 - 富士山をどう動かしますか?」や このページこのページなど いろいろなところで紹介されている間違いやすい論理問題なのだが、 投資における間違いとはかなり違う気もする。
間違えて損する人がいるということは、その逆をやれば得をすることであろう。 普通に考えて普通に間違えて損をする人の逆の行動をしたいものである。 とはいえモンティホール問題みたいなもので儲けるというのは卑怯すぎる気もする。
(2004/2/12 増井)

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いろいろな面白い心理学実験結果やエピソードが紹介されているが、 爆発的感染を起こさせるために何が必要かという肝心の主張は説得力がない。 主張している3要素のうち、少数者が実際に感染に強く影響しているという話は証拠がないし、 粘るものが流行するのは当然というか、 流行したから粘ったと判断できたと思われる。
状況をちょっとだけ変えることにより大きな影響を与えることができた例は参考になるかもしれない。
Crossing the Chasm: Marketing and Selling High-Tech Products to Mainstream Customersなどが引用されているようだが、 参考文献が全く記述されていいない。 日本語版だけなのだろうが、愚かな風習である。
(2003 6/6 増井)

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