著者
Jakob Nielsen
タイトル
Usability Engineering
日時
1994
出版
Academic Press
コメント
ニールセンのページ
設計初期段階におけるチェックにより相当な経済効果がある (変なインタフェースのために生産性が下がらない) にもかかわらず、その点が軽視されている。
■ スローガン
  • 設計者がいくら考えても抜けがある(からユーザに実際に操作させることが絶対に必要)
  • ユーザはいつでも正しい (ユーザの不満や失敗は常に改良の余地を示している)
  • とはいえ、デザインに関するユーザの意見は正しいとは限らない。実際にモックを見せて評価させないとだめ
  • カスタマイズ機能によりユーザにデザインさせるのはうまくいかない
  • デザイナはユーザと同じ感覚をもてない。 一度見てしまうと、感覚が前と一緒ではなくなる (e.g. ランダムドット中の動物の絵) (この話はCooper本にあったのか??)
  • 副社長みたいな人の意見を聞いてはいけない
  • 機能は少ないほうが良い
  • 小さな違いも問題になることがある
  • ヘルプがあればいいというものではない (なくても使える方がよい)
  • ユーザビリティエンジニアリングはプロセスであり、こうすればいいという特効薬はない
■ ガイドライン
  • 単純で自然なダイアログ
  • ユーザの立場の言葉を使う
  • 覚えなければならないことを最小に
  • 首尾一貫
  • 実時間フィードバック
  • 簡単に抜けられるように
  • ショートカット
  • わかりやすいエラーメッセージ
  • エラーが発生しにくいように
  • ヘルプ/ドキュメント
概要
正しい指摘が多いと思うし、そのとおり製品を作れば 正しい製品が出来るのだろうが、 面白い製品を作ることはできないし、 根本的に新しい製品を作ることもできないだろう。 例えば、VCRが何故使いにくいのかといった明白な問題を 分析することはできるだろうが、 WindowSystemのインタフェースがなめらかでないことが何故問題か、 といったことは分析できないし、 解決策を思いつくうまい方法があるわけでもない。 そのあたりは工学でなく芸術の分野に近いのかもしれない。
正しい設計をするためのヒューリスティクスも色々書いてあるが もちろんそれで全部ではなく、\cite{Cooper:AboutFace}に書いてある ような設計知識も必要だと思う。たとえば自明かもしれないが
  • 自分で作る/使う/直すというループの高速化が必要
といったことも挙げられると思う。

UsabilityがUsefulnessの一部、みたいに書いてあったのが 不思議である。使いやすさと便利さはちょっと違うような 気がするが。(e.g. UNIXは便利だが使いにくいし、いくら 使いやすくしても便利さは特に変わらない) (1997/6/5 増井)

感想
単純なシステムしか使わなければ、 ガイドラインの大半も不要かもしれない。
カテゴリ
UI, Usability
ISBN: 0-12-518406-9
Category: UI Usability
Comment: <a href="http://www.useit.com/jakob/useengbook.html">ニールセンのページ</a>
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        設計初期段階におけるチェックにより相当な経済効果がある
        (変なインタフェースのために生産性が下がらない)
        にもかかわらず、その点が軽視されている。
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        ■ スローガン
        <ul>
        <li> 設計者がいくら考えても抜けがある(からユーザに実際に操作させることが絶対に必要)
        <li> ユーザはいつでも正しい (ユーザの不満や失敗は常に改良の余地を示している)
        <li> とはいえ、デザインに関するユーザの意見は正しいとは限らない。実際にモックを見せて評価させないとだめ
        <li> カスタマイズ機能によりユーザにデザインさせるのはうまくいかない
        <li> デザイナはユーザと同じ感覚をもてない。
        一度見てしまうと、感覚が前と一緒ではなくなる
        (e.g. ランダムドット中の動物の絵)
        (この話はCooper本にあったのか??)
        <li> 副社長みたいな人の意見を聞いてはいけない
        <li> 機能は少ないほうが良い
        <li> 小さな違いも問題になることがある
        <li> ヘルプがあればいいというものではない (なくても使える方がよい)
        <li> ユーザビリティエンジニアリングはプロセスであり、こうすればいいという特効薬はない
        </ul>
        ■ ガイドライン
        <ul>
        <li> 単純で自然なダイアログ
        <li> ユーザの立場の言葉を使う
        <li> 覚えなければならないことを最小に
        <li> 首尾一貫
        <li> 実時間フィードバック
        <li> 簡単に抜けられるように
        <li> ショートカット
        <li> わかりやすいエラーメッセージ
        <li> エラーが発生しにくいように
        <li> ヘルプ/ドキュメント
        </ul>
Bibtype: Book
Author: Jakob Nielsen
Title: Usability Engineering
Comment1: 正しい指摘が多いと思うし、そのとおり製品を作れば
        正しい製品が出来るのだろうが、
        面白い製品を作ることはできないし、
        根本的に新しい製品を作ることもできないだろう。
        例えば、VCRが何故使いにくいのかといった明白な問題を
        分析することはできるだろうが、
        WindowSystemのインタフェースがなめらかでないことが何故問題か、
        といったことは分析できないし、
        解決策を思いつくうまい方法があるわけでもない。
        そのあたりは工学でなく芸術の分野に近いのかもしれない。<br>
        正しい設計をするためのヒューリスティクスも色々書いてあるが
        もちろんそれで全部ではなく、\cite{Cooper:AboutFace}に書いてある
        ような設計知識も必要だと思う。たとえば自明かもしれないが
        <ul>
        <li> 自分で作る/使う/直すというループの高速化が必要
        </ul>
        といったことも挙げられると思う。
        <p>
        UsabilityがUsefulnessの一部、みたいに書いてあったのが
        不思議である。使いやすさと便利さはちょっと違うような
        気がするが。(e.g. UNIXは便利だが使いにくいし、いくら
        使いやすくしても便利さは特に変わらない)
        (1997/6/5 増井)
Year: 1994
Date: 2003/08/01 07:01:52
Comment2: 単純なシステムしか使わなければ、
        ガイドラインの大半も不要かもしれない。
Publisher: Academic Press