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■ プログラムのサイズはどれぐらいですか?
プログラムのコア部分は比較的単純な検索を行なうだけですので
サイズは大きくありません。
PalmPilotのインライン版はCで1500行ぐらいで、
PRCファイル(Palmの実行ファイル)は約10KBです。
Palm特有のイベント処理/メモリ管理などの処理や
ーマ字かな変換処理などが多くの部分を占めており、
コア部分は500行以下です。
ソフトキーボードや候補を見栄えよく表示するためには
端末に応じてそれなりのプログラムが必要になります。
■ 移植の手間はどれぐらいですか?
コアの検索部分は非常に小さいですので移植の問題になることはなく、
ほとんどの作業はインタフェースの再設計になります。
機器の形態に応じて、候補を絞る操作と選ぶ操作を
うまく選ぶ必要があるでしょう。
■ 製品化実績はありますか?
auの携帯電話
C406S,
エアボード,
InfoCarryに標準搭載されています。
■ 社外での開発実績はありますか?
(株)アライドブレインズで
障害者用入力システム「
Pete」が
開発されています。
■ 辞書のサイズはどれぐらい必要ですか?
たとえば基本単語を3万語として単純に単語辞書を構築すると
30,000(語)×10(漢字と読み) = 300KB程度必要になりますが、
普通の応用ではそれほど単語は必要ありませんし、
辞書を圧縮することもできます。
例文辞書(予測のために使う辞書)は大きいにこしたことはありませんが
100KBもあれば充分です。
おおざっぱに言うと、
現行のかな漢字変換と同程度の辞書があれば良いと考えればよいでしょう。
■ 辞書はどうやって作るのですか?
これが最もむずかしいところです。
個人でPOBoxを使う場合は、
自分の書いた文章/メールや自分に来たメールを形態素解析して
辞書を作成することにより、かなり使いやすい辞書を作ることが可能ですが、
他の人にとっては全く使えないといった可能性もあります。
一般的に使える辞書を現在作成しているグループがありますので
その結果に期待したいところです。
■ 変換(?)の速度はどうですか?
携帯電話やPalmPilotのように比較的非力なCPUをもつ端末でも
POBoxは軽快に動作します。
■ 日本語以外にも使えるのですか?
POBoxは言語知識を全く使っていませんので、
どんな言語にでも対応可能です。
絵文字で文章を書くのにすら使うことができます。
たとえば、以下の文章(?)は、
Tcl/Tk上に構築したPOBoxアプリケーションで作成したものです。
の変換は面白い
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ユーザが「bikku」などと入力すると
候補として「びっくり」「」などが並び、
それらを選択することにより絵文字入り文章を作っていけるわけです。
■ 外国語への適用例はあるのですか?
英語に関しては実証ずみですが、それ以外はまだ実績がありません。
中国語のように語尾変化のない言語では問題ないと思われますが、
フランス語/スペイン語などのように動詞の語尾変化が多い言語では
適用にひと工夫要るかもしれません。
■ 辞書にない単語は予測できない(ので入力もできない)のでは?
POBox辞書だけ使う場合は、辞書に登録されていない単語は入力できません。
たとえば「食べる」は登録されているのに「食べて」は登録されていないような場合、
「tabete」と入力しても「食べて」は候補に現れないことになります。
バックエンドとして仮名漢字変換システムを用意することにより
このような問題は解決します。
たとえば「食べる」のみがPOBox辞書に登録されている場合、
「tab」などと入力すると「食べる」が候補となります。
その後続けて「ete」と入力すると、
「tabete」で始まる単語がPOBox辞書に存在しないので
POBoxはかな漢字変換システムに変換を依頼して、
「食べて」という候補を取得します。
ユーザがこれを選択した場合は「食べて」を新たにPOBox辞書に自動追加
することにより、次回「tabe」と入力された場合は
「食べる」「食べて」の両方が候補に出るようになります。
変換の様子をもう少し詳しく解説した資料をPDFで用意しましたので
御覧下さい。
■ ライブラリはありますか?
API仕様にもとづいた
UNIX用ライブラリが
提供されています。また
POBoxの辞書検索に有用な
曖昧検索ライブラリも
提供されています。
■ 入力装置には何を使うのが適当ですか?
端末やキーボードの携帯によりいろいろな組み合わせが考えられますが、
以下のような組み合わせで良好な結果を得ています。
- 画面上のソフトキーボードで読みを入力し、
候補をボタンとして表示し、ペンタッチで選択する (PalmPilot)
- 文字認識(Graffiti)で読みを入力し、
候補をボタンとして表示し、ペンタッチで選択する (PalmPilot)
- ジョグダイヤル回転で読みを入力し、ジョグダイヤル回転で候補を選択し、
ジョグダイヤルを押すことにより確定する (携帯電話)
- ローマ字キーで読みを入力し、スペースキーで候補を選択し、
リターンキーで確定する (Emacs)
ALSや筋ジストロフィーなどの障害をもつ人でも使えるように
スイッチひとつだけで入力可能なシステムも開発中です。
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端末によってもっとも使いやすい入力/選択手法を使えばよいでしょう。
■ その他の資料はありますか?
関連情報ページにまとめてあります。
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