Tom Kelley, Jonathan Littman, 鈴木 主税 (訳), 秀岡 尚子 (訳)
早川書房, July 2002
IDEOの発想術の片鱗がわかる貴重な本である。
顧客に聞くな!
超MBA式ロジカル問題解決でもそう言っている。まぁ当然のことかも。
私は「デザインが大事」とふだんから言ってる割には あまり世の中のデザインに無頓着だったことに気付いてしまった。
ある日たまたま駅を見るとJRの色分けシステムに感心した。
問題を見つける技術が必要だと思う。 問題がわかれば誰でも解決できるからである。
コインロッカーの金穴とかぎあな、という問題を発見した。

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Ben Shneiderman
ACM Transactions on Computer-Human Interaction (TOCHI), Vol. 7, No. 1, pp. 114-138, March 2000
以下の4ステップを実行する。 これらの実現のために以下のような手法やツールを利用する 「GENEX」(generator of excellence)という枠組を提案している。
  1. デジタルライブラリを検索/ブラウズする
  2. 同僚や指導者と相談する
  3. データやプロセスを視覚化する
  4. 自由にいろいろ関連づけてアイデアを練る
  5. what-ifツールを使って解決法をさぐる
  6. テンプレート、ウィザード、自動生成ツールなどを活用して実際に作成する
  7. ヒストリを参照したり再実行ツールを利用する
  8. 結果を公開する
ステップ4の支援ツールとして IdeaFisher, MindManager, TheBrain, Axon Idea Processor などを紹介している。
周期表を書くことによって元素の理解が深まったように、視覚化は重要である、らしい。
調査が大事/人に相談しろ/という点はYoung_Ideaと同様の主張であろう。 試行錯誤して自分で試すことが重要だ/世間に配れ/という点は、 インターネット時代のソフトウェアにおいて特に重要といえるであろう。
つまり、スジの良い研究者というのは というような人物であり、これと逆のスジの悪い研究者というのは ような人物であろう。 前者のような人物は確かに成功してるようだし、 イナカ研究者には後者のような人が多いかもしれない。
最初に記述された4つのステップは確かにそのとおりなのだが、 紹介されている各ツールが実際どの程度役にたつのかはあまりわからない。
発想支援に関する文を書くのは危険なことである。 あまり良い文を書いてしまった場合、 その発想支援手法自体が疑われてしまうからである。

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Donald A. Norman
Addison-Wesley Publishing Company, Reading, MA, March 1993
邦訳: 「人を賢くする道具
以下は高林氏による解説 (2003/2/4) (2002/2/4 高林哲)

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著者はVisual Basicの開発者で、今はコンサルタント。 いわゆるUI研究者ではないが、正しい意見を数多く述べて おり、正しい実例もたくさん示している。しょーもない 「UIガイドライン」本より余程役にたつと思う。
同じことをあちこちで言ってるようなのが気になるのと、 参考文献が無いのが惜しい。(何も参考にしていないのだろう)
DeMarcoとShneidermanとPARCとBrenda Laurelしか知らないようである
・尋問モード(アメリカのレストランモード)になるな。
ユーザに色々聞かずに自分で選択させろ!Buttoconを使え
Chap8
ファイルメニューなんて不要ではないのか
Chap9
データをうまく捜す方法が大事である
Chap11 なめらか?
"Flow"を重視せよ。思考をさまたげるようなインタラクションを
させるな
モードレスにフィードバックせよ。
工具を使うみたいな感じで使えるインタフェースにしろ
Chap12 プログラムの性質によりインタフェースを変えろ。
毎日使うものは少々ややこしいものを表示してもよいが
たまにしか使わないものでは自明にせよ
Chap13 アホなダイアログを出すな!
全然「OK」でないのに「OK」ボタンを押させるな
Chap14 履歴データの活用について
前のセッティングを次回使うようにすることは
有用である。選択枝が沢山ある場合でもそのうち
よく使うのは何種類かだけだからそれだけ示せればよい。
常に前回のを提示するようにすると、2種類交互に使う
とき困る。
Chap15 マウスを恐がる「象みたいな奴」も助けてやれ
Chap18
マウスにバーニヤを!
Chap24 クレディットをちゃんと表示せよ
「イースターの卵」式に隠しコマンドにするのも面白い
・絶対エラーがおこらないようにしろ
This is an exhaustive discussion of graphical user-interface design, particularly oriented towards Windows. The author starts from a work-oriented perspective on computer use and demonstrates how a graphical user-interface can be designed to support productivity and learning on different levels. Interaction techniques and widgets are dealt with in detail and the vocabulary introduced by the author should be very useful. There are also some significant ideas of wider scope, such as re-designing file systems, using animation in the interface, and endowing programs with memory. The writing style is easy-going and sometimes a bit colloquial, but the book is very accessible and generously illustrated. The author consistently writes as a designer rather than a usability expert, something that is sorely needed in the HCI field. On the whole, the book should be very valuable for interaction designers who need to build up their graphical user-interface repertoire.
(Lowgrenの本棚より。)

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「オプションをなくせ」「人を待たせるな」「いろいろ出来ると言うな」「エラーとエラーメッセージを 根絶せよ」ということらしい。

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Terry Winograd
The Design of Interaction
Beyond Calculation -- The Next Fifty Years of Computing, pp. 149-161, 1997
建築家と大工の関係にたとえて、 新分野「Interaction Design」が今後大事であると主張している。 たとえば「Webページデザイン」というものは、 ただのデザインでもただのソフト作成でもだめで、 Interaction Designがキモになっている。
Interaction Design屋をめざす増井としては、こういう 話や本(Bringing Design to Software)は参考文献として 役にたつ。(1997/5/29 増井)

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Bruce Tognazzini
Addison-Wesley, 1996
21世紀のインタフェースを考えるという、 SunのStarfireプロジェクトにおいていろいろ 考えたことをまとめたもの
Tog氏は昔のAppleIIとかMacintoshとかの インタフェースデザイナとして有名らしい。 (1997/6/18 増井)

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Terry Winograd
ACM Press, New York, New York, 1996
これからの計算機ではデザインが非常に大事で、 Software Designerなる新しいプロフェッショナルが必要である という主張の本。 ここでいうSoftware Designとは、インタラクションを 含む総合的システム設計のことであり、 土建屋に対する建築家のようなものである。
こういう話に共感する人も多いらしく、 Association for Software Design という団体も出来ている。 Alan Cooper氏も 主要メンバの一人になっている。
「評価」にはまだ工学的な風味があるが、「デザイン」の話に なってくると、何が良いのか悪いのか、どうすれば良いものが できるというのか、よくわからなくて困ってしまう。 上述のASDにはNormanとかWinogradとかがからんでいるが、 彼等にデザインを語る資格があるのだろうか。 ユーザインタフェース研究者のスタンスはどうあるべきなのかわからない。 ソフトウェアデザイナには、建築家の出世街道みたいな道は まだ開けていないので、とりあえずCooper式かもしれない。

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各章の内容は以下のとおり。
  1. エジソンは自分が一番正しいと思って失敗した。
  2. 初期ユーザとその後のユーザは全然違う。
  3. 簡単で単機能の「Information Appliance」(IA) がこれからの本命である。
  4. メーカのビジネスモデルのせいで計算機は 複雑化を繰り返してきた。
  5. 音声I/Fも3次元I/FもエージェントもNCもPDAも 複雑化の問題を解決しない。
  6. 取り換えのきかないインフラを押さえることが重要である。
  7. 人間は計算機と違って曖昧でエラーに強い。
  8. 複雑さと使いにくさは違う。 良いコンセプチャルモデルが大事で、メタファとかは駄目。
  9. フィールドスタディ/行動デザイン/ラピッドプロトタイピング/ ユーザテスト/工業デザイン/テクニカルライティングによって 人間中心のデザインをしろ。
  10. そうなるような組織にしろ。 普通の組織内階層構造だと手柄の取りあいになってうまくいかない。
  11. IAは電話やラジオの発明に匹敵する画期的なものだ。
  12. IAで皆幸せになるだろう。
[語録]
ごちゃごちゃ書いてあるが、内容は薄い。 文句ばかり言うのをやめて、メーカ側の立場で これからの計算機を設計する気持ちになって書いた本らしい。 しかし付録で提案してるAIのアイデアというのが皆しょうもない、 というか既にあるものばかりである。たとえばこのようなものである。 駐車場で写真を撮るぐらい気のつく人ならそもそも 迷うこともないだろうし、店の中で写真を撮ってると 普通は怒られるだろう。 こんなに色々IAを持ち歩くと面倒で仕方がないだろうに。 やっぱりこの人は商品提案などせずに文句だけ言ってて もらった方がありがたい気がするが。 良い製品を作れるような組織にしろ、というのは心に留めて おくべきかも。 (1999/2/10 増井)

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Donald A. Norman
The Psychology of Everyday Things
Basic Books, New York, 1988

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