ユビキタスの街角

Sunday, December 31, 2006

首相夫人ブログ

安倍首相夫人の安倍昭恵氏が ブログを書いている (Web魚拓)。 政権の人気を上げるために始めたのだろうが、以下のような問題を露呈しており全く逆効果になっている。
  • 芸能人との交流を自慢したがるミーハーさ
  • 立場にふさわしい行動を判断できない低能さ
  • 社会に対する国民の不安を一顧だにしない無知と無神経
  • 発展途上国の子供に「昭恵様」などと呼ばせてる傲慢さ
  • 日本語表現が間違っている知性不足
  • 女が仲良くすれば世界は平和になると思う幼稚さ
  • 社会貢献の意識が微塵も感じられない無用感
  • こういった問題に気付く感性の欠如
  • 問題が表面化してからも放置しているような危機管理力不足
本人にも周囲にも品性/品格/知性/感性といったキーワードが著しく欠如していることを わざわざ宣伝することもないのに。

Saturday, December 30, 2006

油断ならない商売

トヨタのディーラーで新車を買ったら以下のような$1500の追加保証を勧められた。
  • 3年の間、軽微な故障に対する修理がすべて無料になる
  • 保証を利用しなかった場合は3年後に全額返却される
一見お得に聞こえるが、よく考えるとこれは全く得とは思われない。全額返金されるのはこの保証を全く利用しなかった場合に限るので、軽微な故障の場合はこの保証を使わず自腹で修理する可能性が高いだろう。このように保証を利用しなかった場合や全く故障がなかった場合も別にユーザが得をするわけではなく、貸してた金が無利子で返ってくるだけの話である。要するに、3年間の小さな故障の蓄積が$1500を越えた場合のみこの保証が得になるわけだが、 10年落ちのボロ車でも部品の修理に大きな金がかかることは稀であるし、トヨタの新車の部品が3年間に$1500ぶん以上故障する可能性は非常に低いため、この保証によりユーザが得をする可能性は限りなく低いはずである。

こういう商売は、詐偽だとまでは言わないが愉快なものではない。よく注意して計算しないと損得を判定できないという問題があるのに加え、損な判断をしてしまった場合でも保証自体は有効だからユーザが判断ミスを反省する必要がなく、安心を金で買ったのだと考えて満足することができる。つまりディーラーは非難を恐れることなく圧倒的に自分に有利な契約を勧めることができるわけである。

この保証以外にも、盗難車の発見を有利にする特殊ステッカーやGPSシステムとか、後部障害物を発見するためのセンサなどを執拗に勧められた。車が盗難されたうえにステッカーのおかげでみつかる可能性などゼロに等しいし、センサのおかげで事故が防げる可能性も相当低いだろう。確率を考えると全く無駄な投資だと思われる。

車の価格交渉という最大の難関を越えた時点でこのような提案を持ってくるというところも巧妙である。本当に重要な機能なら車体価格に含めて提示していいはずだが、その時点ではまだユーザは油断していないので売りにくいということなのだろう。交渉が終わった後で、なんとなく安全や便利さに金を払ってもいいかなと油断していると、つい契約してしまう可能性が高いだろう。

車の販売価格自体については情報が充分流通しているので大きな儲けが見込めないと思われるが、ユーザの心理を操作して付加的な部品や保証を買わせることによって利益をあげようとしているのであろう。そういうディーラーの気持ちはわからないでもないが、ユーザの計算能力不足/勘違い/油断につけこんだ商売は根本的に誉められたものではないと思うのだが。

ポイントをまとめてみる:

  • 実は損なのだが、慎重に確率計算しないと損得がよくわからない商品を売る
  • 客が油断しているタイミングを利用する
  • 損な判断だったとあとで気付いてもすぐあきらめられる範囲にしておく
  • 嘘は言わずあくまで客の判断にまかせるが、メリットを強調して執拗に勧める
  • 車の部品は壊れやすいとか事故は嫌だとかいった漠然とした不安感を利用する
やっぱり詐欺的だな...

Saturday, December 23, 2006

パスワードの心理学

様々なサービスを使おうとするたびにパスワードを要求されるが、 強いパスワードを確実に記憶しておくことは難しいので、 16桁の数字を気合いで覚えてそれから派生させるとか、 ベースとなるパスワードにシステム名を足したものを使うとか、 さまざまな工夫が提案されているようである。 かなりの根性と頭脳が無いとこのような方法を使うことはできないわけで、 頭脳明晰でない人はシステムを使うなと言っているようなものである。 パスワードを用いた認証というものが諸悪の根源であるにもかかわらず、 それが問題だという議論をほとんど聞いたことが無いのは全く不思議である。

パスワードより覚えやすい認証方式は提案されているのだが、 パスワードの方が強力で安全だという理由でほとんど使われていないようである。 実際は誰も強力なパスワードを頭で覚えておくことはできないから、 必ずどこかにパスワードを書いておく必要があり、 全然安全ではない運用になってしまっているはずである。

にもかかわらずパスワードが利用され続けているのは、 パスワードはなんとなく安全な気がするという誤解のせいであろう。 確かに誰もが強いパスワードを確実に覚えておくことができるのならば パスワードを用いた認証システムは安全であるが、 そんなことは無理だということに最初は気付きにくいのでこういう誤解が起こる。 また、自分が記憶するのが大変だから、他人が破るのも大変だろうという感覚も 誤解に一役買っているのではないかと思う。

写真を使う認証方法がいろいろ提案されているが、今のところ全然流行する気配が無い。 自分の写真を認証に利用する場合、 自分にとっては内容が自明なので、 なんとなく認証が弱いように感じられてしまうから流行しないのかもしれない。 運用まで考えると、個人的な情報を利用する方法はパスワードなどよりよほど安全だと思うのだが、 ユーザの心理まで考慮して、 なんとなく安全そうに感じられて/実際ある程度安全で/圧倒的に使いやすい ような認証システムが必要なのだろう。

Friday, December 01, 2006

A4用紙1枚に256GBのデータを保存する技術

標題のようなニュースが報じられて話題になっている。 ちょっと計算してみると明らかなように、これは嘘か詐欺である。
  • A4の紙全面にわたって1ミクロン格子で32ビットずつ情報を正確に書き込まなければならない。 書くのも読むのも無理。
  • 現在のインクジェットプリンタは1ピコリットルの制御が下限なので、 250GB(2Tビット)ぶんインクを飛ばすと2リットルになる
世界でもネタ認定されているし、もとソースでも否定されているようだ。 しかし はてブを見ると 称賛の嵐になっているのが不思議である。 信じる人が増えると困るので書いておくが、 世界はまだまだ詐欺のネタには困らないのだなと思った。